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【社会学】アニメの高度な楽しみ方①

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 NARUTOにおける「男らしさ」、「男の友情」の描き方とその物語での女性キャラクターの社会的な役割の描き方と排除(男女間の権力関係の非対称性)についての考察します。難しい学問をみんなが良く知っている「NARUTO」で分かりやすく説明する試みです!

 まとめからお読みいただき、興味があれば、最初からお読みください!

1 ストーリー

 NARUTOとは、少年ジャンプで連載され、後にアニメ化された人気作品で、忍者をモチーフにした物語。主人公うずまきナルトが、落ちこぼれながらひたむきに修行に打ち込み、火影(ナルトが所属する忍者の里の長)を目指し、友情を育みながら、数々の困難に打ち勝ち、成長して火影になっていくストーリー。

2 主な登場人物紹介

 うずまきナルト(主人公)は、幼少期はダメで落ちこぼれな忍者であったが、偉大な師匠である「はたけカカシ(後の6代目火影)」、「自来也(木の葉の3忍)」との出会いや、最高のエリートである「日向ねじ」、生涯のライバルであり、親友となる「うちはサスケ」、同じチームでありガールフレンドの「春野サクラ」、そして後にパートナーとなる「日向ひなた」の影響を受け、7代目火影となる。

3 考察

  • 幼少期①

 幼少期の「うずまきナルト」は、「九尾」を封印されている関係で、チャクラ(忍術を使うときのエネルギーのようなもの)をうまく使うことができないことが主な原因で、忍者としては落ちこぼれであった。この時の劣等感から、超優等生である「日向ねじ」に対して、いつしか対抗心を燃やすことになる。

 この対抗心が具現化したのは、「日向ねじ」対「日向ひなた」の試合の時である。「日向ねじ」は、「日向ひなた」に対し、常に見下し、戦う前から試合を棄権するよう忠告する。しかし「うずまきナルト」は、「日向ひなた」に対し、励まし、激励の言葉を投げかけ、最後まであきらめないよう励まし続ける。

 しかし結果は、「日向ひなた」の瀕死な状態での敗北である。この時うずまきなるとは、その時誰も勝つことが不可能とされていた最強の天才「日向ねじ」を倒すことを言葉に出して誓う。

 「うずまきなる」とは、誰もが認める落ちこぼれにもかかわらず、誰も勝つことが不可能と言われた天才「日向ねじ」を倒すことを倒れている日向ひなたやその場の全員の前で誓う。幼少期最高の男らしさを示した場面である。

 また、「日向ひなた(女性)」の役割は、「うずまきナルト(男性)」に対して、どんな強敵にも果敢に立ち向かう勇気(動機づけ)を与える役割を担っており、男性に対して、本来の力以上の力を引き出すキー的な存在となっているものと考えられる。ここに性別分業図式を見ることができる。「日向ねじ」は、その後自分を打ち負かした「うすまきナルト」に対して、今までの見下げた態度から、信頼を増加させて、男の絆を深めることになる。

 この時、「うずまきナルト(男性)」と「日向ねじ(団絵師)」は初めて「対等な関係」(良きライバル)となり、「日向ひなた(女性)」は排除される媒介項の位置づけになっているものと考えられる。

  • 幼少期②

 後の親友となる「うちはサスケ」が木の葉の里を抜けた時、「春野さくら」は、必死に「うちはサスケ」を引き留めようとする。しかしそれがかなわなかった時、同じチームメンバーである「うずまきナルト」に「うちはサスケ」を連れ戻してほしい旨懇願する。そして「うずまきなると」は、「春野さくら」に対し、必ず連れ戻する旨約束をする。

 「うずまきナルト」は、以後長い年月をかけてこの約束を守ることになる。この場面での「うずまきナルト(男性)」は、「春野さくら(女性)」からの約束を守り通す姿を通じて、「男らしさ」を示した場面と言える。また、ここでも「春野さくら(女性)」の役割は、「うずまきナルト(男性)」に対して、どんな困難なミッションでも果敢に取り組む動機づけを与える役割を担っており、男性に対して、本来の力以上の力を引き出すキー的な存在となっているものと考えられる。(性別分業図式)

 「うずまきナルト」が成人した時、「春野さくら」との約束は守られて、「うずまきナルト(男性)」と「うちはサスケ(男性)」の深い信頼と友情が確かなもの(男の絆)となり、「春野さくら(女性)」は排除される媒介項の位置づけになっているものと考えられる。

  • 成人期

 木の葉の里最大の危機が訪れた「ペイン(敵の名称)」の来週時に、「うずまきナルト」が「ペイン」に果敢に挑むも、手も足も出ない状況となる。当然木の葉の里の仲間たちも次々に殺されていき、絶望的な状況を迎えることになる。「うずまきナルト」は、手足を串刺しにされ、身動きが取れない状況で、唯一戦うことができたのが「日向ひなた」である。

 この時の「日向ひなた」は、自分では絶対に勝つことができない「ペイン」に対し、自分が死ぬことを分かっていて「うずまきナルト」を救うために戦いを挑む。ここでの女性の役割は、献身だと考えられる。この献身的な結果、「日向ひなた」は、「ペイン」に殺されることになり、「うずまきナルト」は、またも自分の力以上の力を発揮し、「ペイン」を打ち破ることができた。

 この場面でも、「日向ひなた(女性)」の役割は、「うずまきナルト(男性)」に対して、どんな強敵にも果敢に立ち向かう勇気(動機づけ)を与える役割を担っており、男性に対して、本来の力以上の力を引き出すキー的な存在となっているものと考えられる。(性別分業図式)ここでも最終場面では、「うずまきナルト(男性)」と「ペイン(男性)」がお互いに理解しあい、男の絆を見ることができる。

4 まとめ

  以上のことから、この作品についての男らしさとは、女性の媒介性の貢献を受けつつも、本来の力以上の力を発揮し、敵を打ち負かすことにあり、男性同士の絆とは、戦った後にお互いの男らしさを認め合うことにあると考えられる。

 女性の役割は、主人公は男性で、女性はあくまで脇役であり、男性に依存する存在である。一方で、男性にとって女性は、本来の力以上の力を発揮させてくれる貴重な媒介的な役割を担っており、女性の存在は無くてはならない位置づけになっていると考えられる。

 よって男性は、自身の目的を達成するため、女性の媒介的な役割が必要であり、女性は、自身の目的を達成するために、男性への動機づけを行い、自ら補完的な役割を担うことによって、男性を主体的に動かしていくと考えられ、女性の賢さが良く表れており、現代社会でも通じるものがあると考えられる。

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