ポンコツヤローの異世界放浪 LV17

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②ポンコツヤローの異世界放浪

LV17:仲間の助けを信じて戦え!

 カズキンは2人に「俺はゾンビをやる。お前たちはゴブリンを防いでくれ。魔法はギリギリまで取っておこう!」そう言いました。しかしこれが大失敗だったのです。本来ならばファイアーボールを使ってゾンビを焼き払うべきでした。そしてゴブリンもこれが最後の集団だったのです。

 当然そのことを知らいない3人は、この判断により絶望的な激闘に身を投じることになります。カズキンは必死にゾンビと戦います。しかし元々死んでいるアンデットですから、ただでさえ多少切られてもダメージを追わないうえに、元々冒険者であったため、武器や防具を装備していることが厄介でした。

 中々致命的なダメージを与えることが出来ず、時間だけが過ぎていき、確実に体力を奪われて行きました。ヤナとミツも魔法使い用のスタッフを振り回し、ゴブリンと大立ち回りをしていますが、職業が魔法使いであるため、素早いゴブリンたちに致命的な一撃を与えることが出来ずにいました。

こちらも時間だけが過ぎていき、確実に体力を奪われて行きました。(キツイこのままではいずれ・・・)3人同時に同じことが頭をよぎった瞬間でした。そんな中カズキンが二人を励ますように叫びます。「ここで踏ん張っていれば、すぐにタカやシゲ、仲間達が助けに来る。そうなればこいつら袋叩きだ!」

カズキンの叫びを聞いて、ヤナ、ミツも少し元気を取り戻しました。「そうだそうだ!こんな奴ら!よゆ~~でぶち殺してやる!!」ヤナも思いっきり叫びました。その時!!!「うわっ」ヤナが足を滑らせて転倒してしまいました。その隙をゴブリン達は見逃しません。一斉に飛び掛かります。

 ヤナはゴブリン達に袋叩き状態になりました。それを見たミツとカズキンがゴブリン達に襲い掛かります。「こいつらぶっ殺してやる!」カズキンの忍者刀がゴブリンを切り付け、貫き、あっという間に3匹を切り捨てました。しかしその瞬間、「ぐッ・・」今度はカズキンがモロにダメージを受けます。

 ヤナは、カズキンとミツの助けを借り、傷を負いながらもなんとか立ち上がりました。しかしカズキンは、元冒険者のゾンビに背中を深々と切られてしまい、かなりの深手を負ってしまったのです。いつの間にか3人は、ゴブリンとゾンビに囲まれてしまっています。カズキンにはもう刀を振るう力は残っていませんでした。

 「カズキン大丈夫か??おいカズキン?」ヤナが必死に声をかけますがカズキンは返事をせず、少しだけ、ほんの少しだけ笑顔を見せました。そして最後の力を振り絞って刀を振り上げ、目前の完璧な防具を装備している元冒険者であろうゾンビに対して、刀を渾身の力を込めて振り下ろします。

 「キーーーーン」カズキンの忍者刀が防具に阻まれ折れてしまいました。「バタッ」そしてそのままカズキンは倒れ込みます。「カズキン!」「カズキン!」ミツとヤナは同時に叫びます。その時「マジック・アロー!」魔法の矢がミツとヤナの周りのゴブリンとゾンビに突き刺さります。一瞬だけ時間が止まりました!

 この時に駆けつけたタカとタクボクがヤナとミツの前に割って入り、ゴブリンとゾンビと戦い始めます。「大丈夫か!?」息を切らせながらタクボクが言います。しかしミツとヤナはもう返事をする気力すらありません。タカとタクボクを見てその場に座り込んでしまいました。

 時間は少しだけ遡ります。「今回は割と余裕だったか?ペナルティ依頼って言うからどんなに過酷かと思ったけどな。」そうタカが話しかけるとタクボクが「まあ確かにな。これもリュウさんの正確な情報と作戦のおかげというのもあるだろうよ。」そう応じました。

 2人は左の通路の奥まで討伐を完了し、戦利品などの回収をアンザワ達に任せて、ヤナたちと合流するために先行してきた道を戻っていました。「カズキン達と合流して次はどっちの通路だっけ?」そうタカが聞くと「真ん中だよな。右はヤナが毒の沼を流し込むからまあ大丈夫だろう。作戦ではな?」そう答えました。

 しばらく歩いているとタカが急に「あれ?なんか聞こえないか?」と真剣な顔で言いました。「爆発音だろ?ファイアーボールの?予定通りでは?」そうタクボクが答えます。「そうかな~金属音も聞こえたような気がしたんだよな。」とタカが言うとまたすぐに爆発音が立て続けに聞こえます。

 「あれ?もしかしてかなりの戦闘になっているのではないか?急いで合流しよう。」そうタカが言うと、二人は全力で走り始めました。「間違いない。切りあっている音が聞こえるぞ!」そうタカが言うとタクボクが「相手はゴブリンだろう?そんな良い装備しているとは思えないが?」と応じるものの、不安が隠せない2人でした。

 そして分岐点の位置まで戻ると、2人の目に飛び込んできたのは、武装したゾンビにカズキンが切り伏せられる瞬間でした。「カズキンが!」次に見えたのはカズキンが渾身の力を込めて武装したゾンビに切りかかり、刀を折りながらも見事に打ち取ったところです。しかしカズキンはそのまま倒れ込んでしまいました。

 「ミツ、ヤナは?ダメだ間に合わない!」タクボクがそう言うとタカが「ウォーー!マジック・アローー!」と魔法を放ちます。一か八か遠距離からの攻撃にかけてみました。すると5本の矢が一斉にゴブリンとゾンビを貫き、敵の動きが一瞬止まりました。さらにタカとタクボクは全力で走ります。

 大丈夫か!?」息を切らせながらタクボクが言います。しかしミツとヤナはもう返事をする気力すらありません。タカとタクボクを見てその場に座り込んでしまいました。「こいつらは俺たちに任せて休んでてくれ!」そうタクボクが言うと凄い勢いでゴブリン達を蹴散らしていきます。

 一方でタカの方もゾンビを次々と倒していきます。「いっけ~~!ライトニング・ボルト!」通路に一直線に並んでいるゾンビを一気に雷撃が貫きます。タクボクとタカが戦闘に加わり、残りのゴブリンとゾンビを見事に撃退しました。そして急いでタクボクがカズキンの治療に当たります。「カズキン!カズキン!大丈夫か?ヒール!」

 ヤナの方も裂傷や打撲をしており、重症ではありますが命の危険まではありません。しかしカズキンについては急いで治療しないとかなり危ないのは誰の目にも明らかです。「クソ!1回くらいのヒールではもはや・・・・もう一回だ!ヒール!」すると出血が収まり、傷口もかなり小さくなりました。

 しかし完治には程遠い状況であることは全員分かっていました。「俺にはもうヒールがない。ここはブー達戻ってくるのを待とう。とりあえず今までの戦闘状況を教えてくれ。」いつも口数が少ないタクボクが少し興奮気味に矢継ぎ早に話をします。するとミツが今までの経緯を簡単に報告します。

 作戦通り、右側の通路には毒の沼を流し込んでいること。真ん中の通路からはゴブリン達が大量に押し寄せてきて、ファイアボールで3度撃退し、50~60匹は倒していること。右側の通路からは以前討伐に来て戦死したであろう元冒険者のゾンビが出てきて、毒の沼が効かずに大苦戦したこと。

 そして、ヤナも見てのとおり負傷しており、カズキンが切られ今に至ることを報告しました。するとタカは「毒の沼を真ん中の通路に撃つことが出来ていれば、戦況は全く変わっていたはずだな。なんてこった。」非常に残念そうに、コブシを壁にぶつけます。タクボクは「一応カズキンへの応急処置はこれで済んだしかし・・・」

 なおもタクボクは続けます。「カズキンとヤナはもう戦えない。一旦炭鉱の外へ出る方がいい。」そう言うとタカも頷き、「3人には負担をかけてしまったな。申し訳ない。後は俺たちに任せてくれ。お前達の為にも必ずこの依頼はクリアして見せる。」そう改めて決意するタカでした。

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