ポンコツヤローの異世界放浪 LV12

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②ポンコツヤローの異世界放浪

LV12:この大失敗を糧に!!

タカが目を覚ますとそこは馬車の中でした。「おう気が付いたか。」先輩冒険者から声をかけられました。「俺達助かったんですね・・・」タカがそう言うと「命拾ったな。お前らはギルドの命令を無視したんだ。見捨てられて死んだって文句は言えねーな。」そう先輩冒険者に言われ、改めて情けない自分に腹ただしさでいっぱいでした。

しばらくすると次々にポンコツヤロー達が目を覚まします。「あ・・・・」、「起きたか?」「うん」など、会話が少しずつ増えてきました。ですが、体中傷だらけであり、起き上がることもままならない状態です。馬車に揺られること丸1日。ようやく街に到着し、ギルドに無事帰還することが出来ました。

心配そうに出迎えたギルド店員のりるが声をかけます。「お帰りなさい。本当に大変だったと聞いています。ご無事で何よりでした。」そして今にも泣きそうな顔で続けます。「もう死んじゃったかと思いましたよ。だって途中で行方不明になったって。」その時タカはハッと気づきました。自分達はギルドに見守れていたんだと。

「みなさん、お疲れのところ申し訳ないのですが、ギルドマスターが及びです。2階に上がっていただけますか?ご案内しますので。」そうりるが言い、みんなを案内します。(コンコン)「入ってもよろしいでしょうか?冒険者様をお連れしました。」そうりるが言うと、「入れ。」ギルドマスターからの返事がありました。

「失礼します。」りるはそう言い、ポンコツヤロー達をギルドマスターの部屋に通します。

「それでは私はこれで退席いたします。」りるはそう言い残すと部屋を出ていきました。気まずい空気が流れているそんな時、ギルドマスターが机を叩き、怒号がさく裂しました。(バンッ!)「お前らいい度胸しているじゃね~か!」

 「すみません」「すみません」「すみません」「すみません」「すみません」「すみません」「すみません」「すみません」、一斉に謝罪するポンコツヤロー達。しかし、ギルドマスターはその後言葉を発せず、ポンコツヤロー達を鬼の形相で睨みつけています。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(とてつもなくヤバい)・・・・・・・・・・・・・・(むちゃくちゃ怒ってる)・・・・・・(殺されるんだろうか)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(どうしよう)・・・・・・

 いったい何時間経過したかわからないくらい時間が経ちました。いやそのように感じれるくらいギルドマスターからの怒りの圧力が凄かったのです。実際には5分も時間が経っていませんが、ポンコツヤロー達にとっては、もう1日立たされたのではないかと思うほど、時間が経過し、疲弊したと感じてしまったのです。

 「お前らそんなに早く死にてえのか?だったらとっておきの依頼を出してやるが受けるか?おーーー?」再びギルドマスターからの怒号が飛び出し、シゲとミツは尻もちをついてしまいました。ブーが「本当にすみませんでした。」再び深々と誤ります。「本当にすみませんでした。」残りのメンバーも慌てて謝ります。

 「お前ら命拾ったな。これに懲りたら、二度とギルドの作戦を無視したり、自分たちの実力以上のことはするな。死んでもおかしくなかったんだぞ。」ギルドマスターが諭すようにポンコツヤロー達に言い聞かせます。「いいか?お前ら冒険者はギルドにとっては家族も同然だ。ぜったに死なせるわけには行かない。」

 ギルドマスターは続けます。「特にお前らのような駆け出しは無茶するから、すぐに調子に乗って・・・・そして早死にするんだよ。俺はそんな奴らを何十人と見てきているんだ。俺をこれ以上泣かせないでくれや。な?」ギルドマスターの一段と優しく語り掛ける口調に、思わず泣き始めてしまったポンコツヤロー達でした。

 「しかし本当に良かった。後5分到着が遅れていたら、お前ら全員あの豚どもの餌になっていたんだぞ?がんばって生き抜いてくれて、本当にありがとう。」ギルドマスターの涙ながらの言葉に、既に号泣してしまっているポンコツヤロー達でした。「本当にすみませんでした。」全員深々と頭を下げたのでした。

 「分かってくれればもういい。俺に二つだけ約束をしてくれ。もう二度と無茶なことはしないこと。そして命を最優先にすること。これだけでいい。」そうギルドマスターが言うとポンコツヤロー達は「はい!」と大きな声で返事をしました。嬉しそうな笑顔を見せていたギルドマスターでしたが突然怖い顔になりました。そして・・・

 「しかしだ。罰は罰だ。きっちりペナルティーは受けてもらうからな!てめーら覚悟しろよ!」その言葉を聞いたポンコツヤロー達は無言で直立しています。(え~今までの流れは何だったんだよ~(TДT);)

 「まずお前らの戦果だ。倒したオークの数、54匹。負傷させた数43匹。なかなかやるじゃないか!お前らの賞金は、倒したオーク1匹につき、金貨1枚で54枚だ。」するとポンコツヤロー達は「お~すげ~~」と口々に喜びます。そしてギルドマスターは続けます。

 「オーク達から奪ったものの換金分、負傷させたことによる貢献で金貨10枚、それと今回の遠征への参加及び貢献で併せて一人につき金貨5枚ずつだ。合計で金貨104枚だな。なかなか活躍したじゃないか!」するとポンコツヤロー達は傷の痛みも忘れて「やっぽ~~」狂喜乱舞です!

 それはそうです。この世界では金貨1枚あれば、1か月は食べるに困らないほどの価値があります。それが一人当たり10枚以上ですから喜ぶのも無理はありません。「やった~これでうまいもの食いに行こうぜ!」「お~飲みに行こうか!」「女の子いる店行こうぜ~」みんな口々に好き勝手言っています。しかし・・・

 「で!喜ぶのは早いぞ。お前らの作戦無視による被害分の請求、そして救出した分の請求があるんだよな!罰金1人金貨20枚だ!分かったか!」その言葉を聞いたポンコツヤロー達はピタリと動きを止め、ボーゼンと立ち尽くします。「お前らの1人の命と、金貨20枚とどっちが価値があるのかね??え??」

 そう詰め寄られてポンコツヤロー達はしぶしぶ「自分たちの命です。」と答えます。「当然だよな。こんだけ迷惑をかけて、他の冒険者も危険に追いやり、まさかごめんなさいで済むと思ってないよな?」そうギルドマスターに詰め寄られるともはや何も言えないポンコツヤロー達でした。

 「しかしだ、俺も鬼じゃない。よってだ、お前らの報酬はすべて没収。そしてギルドが指定する依頼を3件強制的に受けてもらう。当然その報酬から支払ってもらう。まあ全部取り上げると食えなくなるから少しはやるけどな。分かったか!」既に半泣きのポンコツヤロー達は小さな声で「はい・・・・」返事をするのがやっとでした。

 (結局支払うんだから鬼じゃないかよ;;)心の中でそう叫ぶポンコツヤロー達でした。そんな表情を見てギルドマスターが「文句あるか?あるなら言ってみろ!!」と大声で言うとポンコツヤロー達は大きな声で「ありません!!」と応えます。心の中とは正反対に。

 「よーし。分かったらもう行って良し。2、3日休んだら、りるから依頼を受けて働け。迷惑をかけた分、助けてもらった分は、気合入れて働けよ。分かったな!」そうギルドマスターに言われると「分かりました!失礼します!」と返事をし、次々に部屋を出ていきます。それをギルドマスターは黙って見送ります。

 (いい薬になっただろう。お前らは何も得るものがなかったと思ったようだがな、お前らはあの激闘から生き残ったんだ。とんでもない経験という金に換えられえないものを手に入れたんだぜ。良かったな・・・・)ギルドマスターは窓からポンコツヤロー達を見つめながらそう呟きました。

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