ポンコツヤローの異世界放浪 LV9

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②ポンコツヤローの異世界放浪

LV9:ポンコツパーティ大ピンチⅠ!

いよいよオーク討伐です。討伐に参加する冒険者たちが続々と集まってきます。カズキンは「さすがに強そうな冒険者がたくさん集まったな。俺らなんかまだまだだな。」そういうとヤナも同意します。「確かに俺らまだまだだな。オークをしこたま倒して稼ごうぜ。もっといい装備しないとな。」

既に金に目がくらんでいるポンコツヤロー達でした。討伐部隊に参加する冒険者に対し、ギルドから現在の状況、各冒険者パーティの配置及び討伐全体の作戦などの説明を行い、いよいよ出発です。順調に進めば、討伐自体は3~4日で終了する予定です。

ポンコツヤロー達の配置は一番左です。中心部に配置される冒険者ほど強くなります。逆に中心部近づくほど、オークとの遭遇が増えることになり、その分戦闘も激しくなります。そのことは説明を受けていたので知っているポンコツたちですが、実はみんな不満を持っていました。

(ちくしょう。こんな端っこに配置されたら、まともに稼げないじゃないか)・・・・・・・・・・・そんな欲に目がくらんだポンコツヤローたちでしたが、駆け出しの彼らには、ギルドが安全に戦えるよう激戦エリアを外してもらっていることに全く気付いていなかったのでした。

「おいみんな。ダッシュで前に出て、オークの背後に回り込んで、中央部の冒険者たちと挟み撃ちにしないか?」思いついたかのようにカズキンが言いました。すると真っ先にヤナが「いいね~やろうやろう!そのほうが稼げるだろう!」と続きます。

いつもなら冷静に止めるはずのブーがこの時まさかの行動に出てしまいます。「その言葉を待っていたんだよ。みんなダッシュで進んで回り込んでしまおう!」こうなってはもう止まりません。そしてこれは完全にギルドの作戦を無視してしまっています。

欲に目がくらんだポンコツヤロー達は、自分たちがオークと一度も戦ったことがないことをすっかり忘れて、どうせゴブリンより少し強い程度だろうと完全になめています。そしてこの安易な行動が、この後命をかけた激しい戦闘を招いてしまうことにまだ気づいていないポンコツヤロー達でした。

他の冒険者よりも早く行動しているポンコツヤロー達は、ギルドからの想定よりも半日以上早くオークの集団を見つけました。「おいいたぞ!あそこに約10匹、離れたところにあと2グループ見えるな。説明通りだいたい人グループ15匹前後くらいだな。」そうアンザワがみんなに言います。

するとヤナが「余裕だな。早速魔法ぶちかまして、3グループ潰してしまおうぜ!」そう言います。後続の冒険者との距離は、時間的に半日近くもあることを全く理解していなかったポンコツヤロー達でした。

まず目前に迫ってきたオークの集団にミツがファイアーボールを放ちます。「ファイアーボール!」オークの小集団の中心でファイアーボールがさく裂し、数匹のオークが火だるまになります。そして全員でオークに切りかかりました。大した時間をかけずに、一つの集団を全滅させることに成功します。

「よし余裕だな!」ヤナが勢いよく叫びます。そして「よし、残り2グループだ。左右に分かれて、潰してしまおう!」ここでポンコツヤロー達は、パーティを二つに分けてしまったのです。戦力を分けることにより、オークの集団を殲滅するのに時間がかかってしまったのです。これがさらに致命的なミスとなるのです。

左のオークの集団へはシゲ、ブー、カズキン、ヤナが、右のオークの集団へはタクボク、タカ、アンザワ、ミツがそれぞれ当たることになりました。ポンコツヤロー達は、初戦で簡単にオークを倒し、大したことがないと思ってしまったため、パーティを分割して半分の人数で当たっても余裕で勝てると思っています。

 「よ~し任せろ」そうヤナが言うと「ポイズンスワンプ!」得意の毒の沼をオークの集団の中心部に放ち、数匹が毒の沼に巻き込まれて苦しんでいます。そして一斉に切りかかりました。同じころ、右の集団には、ミツがファイアーボールを放ち、同様に切り込んでいます。双方順調にオークを殲滅しています。しかし・・・・

 「お~いそっちはどうだ?」ブーがタカのグループへ声をかけます。「お~今終わったぞ。ちょっと時間食ったけどな!」タカが応じました。ブーも「お~こっちも終わったぜ、結構時間食ったな~」これで3つの集団を潰したことになります。ここで少し休憩を取ろうと思った矢先にアンザワが叫びます。

「ヤベー囲まれてるぞ!マジヤベー!」そう叫ぶとみんなが一斉に周りを見ます。なんと、オークが数える限り6集団集まってきていることにみんな気付き、急いで臨戦態勢を整えました。ブーが「なんでこんなに集まってきているんだ。なぜだ?」誰に言っているのか分かりませんが、全員同じ気持ちでした。

するとタカがみんなに言います。「俺たちは突出して進んだ結果早くオークの一部と戦闘に入った。もしかしたらその音などを聞きつけて、集まってきたのではないか?」すると冷静さを取り戻したブーが続けます。「やばい。オークの侵攻ルートを俺たちが変えてしまったんだ。」ポンコツヤロー達は全員真っ青になっています。

ブーは続けます。「ギルドはこのことを知らない。ギルドの作戦よりもざっとの計算で俺たちは約6時間早く動いてしまった。さっきの戦いで約1時間かかったとすると、5時間くらいは何とか生き延びないと他の冒険者は来ないことになる。」

ポンコツヤロー達から全く言葉が出なくなってしまいました。しかしそこでタカが言います。「了解。5時間踏ん張れば先輩たちが追いつくわけだ。みんなやりましょうや。なるべく密集してオークを殺すことよりも生き抜くことを最優先にしようや。」そう言うと、みんな無言で頷くのでした。

「完全に囲まれてるな。100匹くらいいないか?」ヤナが言うと「いるなこれは」カズキンが答えます。タカがみんなを激励します。「ここは平原だ。逃げ場がない。みんな外を向いて円になるんだ。絶対に倒れるなよ。死んでも倒れるな。いいな!」そういうと「了解!」全員が応じました。もうやけくそです。

「ブー、タクボク、ヒールは大けがをしたやつにだけ使ってくれ。それとお前らは生命線だ!特にブーはなるべく戦闘に参加するな。ヤナ、ミツ、魔法は追い詰められたときに起死回生で使おう。とにかく温存だ。ブーそれでいいな?」そうタカがいうとブーが応じました。ポンコツヤロー達の絶望的な戦いの幕が切って落とされました。

オークたちは約6集団、1集団あたり約15匹前後だったので、ポンコツヤロー達は、約100匹近くのオークに囲まれてしまっています。オークたちがこん棒をぶんぶんと振り回してきます。必死に防戦に努めますが、シールドを持っているのが聖騎士のタクボクだけであったことがさらにピンチを招きます。

(ダメだ。このままではもう持たない。全滅してしまう・・・)タカが思った瞬間、「ボキッ」凄い音がし、その方向に向くと、ミツが倒れています。「ミツ!しっかしろ!」ブーが駆け寄ります。ミツはオークのこん棒が頭と方に直撃し、骨を砕かれてしまったのです。

(このままじゃダメだ。もう俺がおとりになって敵を引き付けて、みんなを助けるしかない。)タカは死ぬ覚悟を持ってオークに立ち向かうことを決意しました。

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