ポンコツヤローの異世界放浪 LV20

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②ポンコツヤローの異世界放浪

LV20:任務完了!

 タカ達は来た道を戻り、念のため死体がアンデット化して襲ってこないかを確認しながら出口を目指して歩きます。「シゲ大丈夫か?」アンザワが心配そうに尋ねます。「お~。かなりいてぇ~。」そうシゲが応えるとそのまま黙り込みます。誰もがかなり痛みを伴って歩いていることは良く分かりました。

 しばらく歩きやっとの思いで炭鉱の外に出ると、先に出ていたミツが真っ先に迎えてくれました。「タカ、アンザワお疲れ!タクボクもお疲れ。シゲ・・・・大丈夫かい!!」心配そうにシゲを見ます。「お~。かなりいてぇ~。」」そう言うとその場に寝ころんでしまいました。「わりぃ。動けね~。」

 その姿を見たカズキンが、「シゲお前も治療してもらえ!」と元気に駆け寄ってきました。「??????あれ?カズキン全快じゃないかどうした??」そうタクボクが言うと、「ちょいちょいっとリュウさんに治してもらった!」元気満々の笑みを浮かべカズキンが言いました。

 リュウがシゲに近づいてきました。「お~これは派手にやられたな。油断したんだろう?そうでなきゃ脇腹をこんなに深く刺されねえぞ!!よ~しそれでは治すか!」そう言うと、ヒールのはるか上級魔法であっという間に傷を治してしまいました。「お!パワー全開だ!痛くねえ!!!」

 シゲの元気な声が聞こえると、「やっぱりシゲは元気でないと調子が狂っちゃうよな!」ミツが安心したように言います。すると大爆笑するポンコツヤロー達でした。これで全員無事で、ギルドからの依頼も終了となります。リュウは「よし、お前らよく頑張ったな。馬車に荷物を積んで、ギルドに帰るぞ!」そういうと、「おー!」

 全員の元気な叫び声がこだましました。ギルドに向けて出発です。元気いっぱいのポンコツヤロー達を見てリュウは心の中で思いました。(予想に反してゾンビの出現位置が真ん中の通路だったが、ひとまず死人が出なくて良かったぜ。こいつらが死んでいたら、ギルマスに大目玉食らうところだった。)

 実はギルマスからの依頼により、リュウは密かに魔法のスクロールを使ってポンコツヤロー達の戦いの一部始終を見ていました。万一の時には乗り込んで救出にいくつもりでしたが、2名の重傷者を出しながらもなんとか自分たちの力でやり切ったところを見守っていました。

 (結果オーライだが悪かったなヤローども。今はゆっくり休めや。)リュウは心の中でしみじみと思いました。そしてリュウは「おいお前ら!腹減ったろ!俺が馬車の面倒は見るから、後ろで飯を食えや!飲んだっていいぜ。お疲れだ!」そう言うと、待ってましたとばかりポンコツヤロー達は肉にかぶりつきます。

 そして口々に「ゴチになります~~」と声を揃えて楽しそうに食事が始まりました。「シゲ、カズキン!お前らが一番食えよ!なんたって死ぬ寸前だったんだから血が足りないだろう!」そうタカが言うと「お~いてぇ~通り越して気持ちよくなってきたときにはヤバいと思ったぜ!」そうカズキンが言うと全員大爆笑するのでした。

 するとシゲは「俺はいてぇ~しか感じなかったぜ。後は死ぬ前に飯食いたいと思ったかな?」と相変わらず食べることしか頭にないシゲの話を聞いて、さらに全員大爆笑するのでした。そんな姿を見てリュウは思いました。(こいつら以外に見込みがありそうだな。いい仲間じゃないか・・・)

 ギルドに到着するといつも通りギルド店員のりるが出迎えます。「みなさんお帰りなさい。良かった~今回は大したケガもなく、全員ご無事に帰って来てくれて!」りるは満面の笑みを浮かべてポンコツヤロー達に労いの言葉をかけます。すると普段クールなタクボクが「ぷっ」と笑いました。

 それが伝染するかの如くアンザワ、ミツ、ブーも「ぷぷっ」と必死に笑いをこらえようとしながらも笑ってしまいました。その姿を見てりるが「え~~みなさんどうして笑うんですか??どうしてどうして~~?」と顔を赤くして恥ずかしそうに尋ねます。その姿を見たタカが「ごめんごめん実は、シゲとカズキン瀕死の重傷でね・・・」

 そう言うと、りるはますますパニックになり、思わず叫んでしまいました。「え~~大丈夫だったんですか??」そんなりるの姿を見たシゲとカズキンは「はい。大丈夫です・・・。」と至って普通に、何事もなかったかのように答えたので、全員で大爆笑してしまいました。

 するとりるは「本当に心配したのにもう知りません!」と怒って2階に駆け上がってしまいました。そこでリュウが「お前たら後できちんとりるに誤っておかないと、ギルドで仕事もらえないぞ!知らないからな~~」とニヤリと意地悪そうな顔をして一応助言してくれました。

 全員我に返りブーが「りるちゃんに悪いことしたな。きちんと謝ろうなみんな!」そう言うと全員で2階に上がろうとしたときにリュウから「まあまずはギルマスにきちんと報告だな。」そう言われ、ギルドマスターへの報告を先にすることにしました。

 (コンコンコンコン)「入れ。」「失礼します。」そういうとブーを先頭にポンコツヤロー達が入室しました。ブーから一通りの戦果報告を終えると、リュウからも報告がありました。「ギルマス俺からも一言。こいつらなかなか見どころがありますぜ。俺が入地知恵したとは言え、全員死にませんでしたからね。」

「まあ今回は褒めてやってくださいよ。」リュウからの報告を聞いたギルマスは「ほ~。よく頑張ったな。リュウから褒められるのはなかなかないぜ。よく頑張ったな。」そう言いポンコツヤロー達を労いました。(コンコンコンコン)するとタイミングよくりるが入室して来ました。「入れ。」

 「失礼します。」りるは一礼するとギルドマスターに今回の戦利品目録を手渡しました。戦利品目録に目を通したギルドマスターは感心したかのようにポンコツヤロー達に話しかけます。「これはなかなかの戦果だな。立派なもんだ。お前ら今回の任務での稼ぎは、まあ一人当たり1年は遊んで暮らせるくらいの額だな。」

 ギルドマスターからの思いがけない言葉に、全員大喜びではしゃいでいます。「だが!」ギルドマスターがポンコツヤロー達を制止するかのように、急に大きな声を出しました。「お前達、今回はペナルティー依頼だったことを忘れていないか?ギルドや他の冒険者に与えた損害を弁償しなきゃならん。」

 ギルドマスターからの言葉を聞いて、全員固まったまま動くことが出来ませんでした。「ぞうだな~まあお前らも頑張ったことだし、重症者も出しながら依頼をやり切ったことだから大目に見たい気持ちもあるが、けじめはけじめだ。お前らの取り分は既にりるが計算しているから、後で見ておくように。」

 「まあ、今回は稼ぎが良かったから、次からは満額手元に入るぞ!良かったな!」そう言うとギルドマスターは全員に退室するよう促し、自分は執務に入りました。「失礼しました!」ブーが真っ先に言うと他のメンバーも次々に挨拶をして退室していきました。

 「おいおい俺たちの取り分って、いったいいくらなんだ?」金にうるさいヤナがすぐに切り出しました。するとブーが「今見たところによると・・・聞かないほうがいいと思う・・・」と残念そうに言うのでヤナが戦利品目録を奪い取るかのように手に取り、内容を読み始めました。

 するとヤナは、「マジかよ~」と言うとそのまま座り込んでしまいました。なんと記載されていた内容は、一人当たりの報奨金額たったの金貨1枚(約1万円分)でした。もちろん金貨なので“たった”という表現は適切ではなかったのですが、なんと本来の報奨金額が一人当たり金貨100枚(約100万円分)であったのです。

 改めて前回の独断行動が致命的であったこと、賠償額が相当大きかったことを思い知りました。「あ~あ。命かけてこれだけかよ」ヤナがつぶやきます。「俺なんて普通に死ぬ寸前だったぜ。なのにこれだけかよ。」さすがのカズキンも力が入りません。ブーは「自分たちがやらかしたんだ。これで清算できたんだから」

 そう言ってみんなを励ましますが、当の本人の目は全く笑っていません。「みんな。とりあえず飲もうや。金貨1枚あれば、まあ一晩思いっきり飲み食いできるからさ。次がんばろうや!」そうタカが言うと、しょんぼりしながらもギルドの酒場へとぼとぼと歩き始めました。ギルドマスターがたいそうなご馳走を用意していることも知らずに。

【ミッション】

  • モンスターが住み着いた炭鉱を開放せよ 【ミッションクリア】

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