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ポンコツヤローの異世界放浪 LV15

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②ポンコツヤローの異世界放浪
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LV15:覚悟を決めた者たち!

 「あ~朝が来てしまったな~」ヤナがモチベーションマックスの下がり方でボヤキます。「おう!楽しみだな!敵はどこだ!!」相変わらずバカなシゲが、まったく今置かれている状況を理解していないナイスな発言でした。(タカだけが感じたことですが。)そんなポンコツヤロー達の気持ちとは裏腹に、残念ながらあっという間に炭鉱に到着しました。

「着いたな・・・」、「ああ着いた・・」、「到着ですね・・」と口々に残念そうに言います。それを聞いていたリュウが「どうした?炭鉱に入る前にもう疲れたのか?ほらほら気合を入れろ!!」

 そう発破をかけられるもどうしても足が炭鉱の入口に向かないポンコツヤローでした。そこでリュウは「しょうがないな~。いいか攻略のヒントをやろう。俺の言うとおりにやれば必ず勝てるさ!それとな、炭鉱で見つけた宝などは、全部お前らのものだ。どうだやる気でたか?

 そう言われると単純すぎるポンコツヤロー達はがぜんやる気が出てきました。「よしよし。じゃあ念のための確認だ。炭鉱の内部地図は頭に入ってるな?」そうリュウが聞くと「はい!」と元気よく返事が返ってきました。「よしよし。炭鉱は途中から3つの通路に分かれる。とりあえず左から順番に奥まで進め。いいな。」

さらに続けます。「あまり広くはないから、二人ずつ並んで入れ。二人で一匹のモンスターを倒していけばいい。疲れたら後ろと交代だ。それとヤナとミツ。お前たちは途中で分離する通路のところに配置だ。その場所で右側の通路に毒の沼をぶち込んでやれ。ミツはひとまず待機だいいな。」

 「それから忍者は・・・カズキンだな?お前はヤナとミツの護衛だ。残れ。これでここの炭鉱は攻略できるだろう。」そう言うと満足そうに笑みを浮かべました。そこでブーが口を開きます。「質問がありますがいいでしょうか?」そう言うと「なんだ?行ってみろ。」リュウが答えます。

 「えっと、なんで以前に挑戦した二組の冒険者たちは、全滅してしまったのでしょうか。」そう聞くと、「バカだったからじゃないか?」そうリュウが答えます。するとブーが「あの・・・・」と困った顔をするとリュウが大笑いしながら答えます。「悪い悪い。まあ半分は合っているんだがな。」

 「簡単に言うと、恐らく挟み撃ちをくらっているんだ。事前調査ではここはゴブリンがかなり住み着いている。それと炭鉱夫たちが殺されているのでアンデットもかなりいるはずだ。つまり狭い通路で挟み撃ちになり、袋叩きになった。これが全滅の理由だとギルドは見ているよ。」

 さらにブーは続けます。「そうすると、今回の配置、つまり分岐点にヤナたちを配置するのは挟み撃ちに会わないようにということで、前面の敵だけに集中できるようにということですか!?」そう言うとリュウは「そのとおり!だから前面の敵に全力で当たり、左の最下層まで行ったら、戻って来い!」と答えます。

 「なるほど~」一同納得したように声を揃えます。「もう一つ質問いいですか?」ブーが言うと「なんでも聞いてくれ!」とリュウが応えます。「敵はゴブリンの他に具体的にはどんなのがいるんでしょうか?」と質問するとリュウは「ほとんどゴブリンだな。ただゾンビも多数いるはずだ。」

「ゾンビに限らず、アンデットは生命、つまり生き物に反応して襲ってくる。ゴブリンたちは素早いから、やつらが動き出す前にうまい具合に走り去ってかわすことができるのさ。だから同じ洞窟に住みつけるんだ。お前たちの場合は、ゾンビを駆除しなければならないから、いくらのろまでもガチで戦えや!」と答えます。

「分かりました!」と元気よくブーが答えると、カズキンからも質問が出ました。「あの~確かに油断があったみたいですが、話を聞く限りそんなに難易度が高くないような気がします。なぜ1年も依頼が達成されなかったのでしょうか?副ギルドマスターのリュウさんと言わなくても、凄い冒険者はいるはずですよね?」

この質問には一同なるほど!という表情を浮かべました。するとリュウは「お!良い質問だね~」と答えてきました。「依頼ってのはな、ランクがあるんだよ。この手のものは俺がわざわざ出張るような高いランクではないんだな。だから俺が片付ける訳にはいかなんだよ。」そしてさらに続けます。

ここだけの話、実はこの依頼は一番下のDランクで受けてしまったんだよ。まあお前らのような駆け出しでは無理だが、ある程度ゴブリン討伐などをこなしたレベルの冒険者なら十分できるはずだったんだ。ところがな、調査が甘くて本来Cランクで受けなければならなかったことが後で判明したんだ。」

「さらに困ったことに、冒険者が2パーティも全滅してしまったものだから、恐らくこいつらもアンデット化している可能性が高くてな。もはやDランクとして処理できるレベルをはるかに超えてしまったんだよ。そこでちょうどお前達が馬鹿をやってくれたので、この依頼がお前達に回ってき・た・の・さ!」

そうリュウが言うと、左目でウインクして見せました。「まあがんばれや!」ポンコツヤロー達は唖然として言葉が出ません。「まあ、だから俺が見張りに来てるんだから、安心して突っ込んで行け!運が良ければ全員生きて帰って来れるかもしれないからな!」

 とにかくやるしかないということは理解したものの、とことんギルドに利用されているような気がしてならないポンコツヤロー達でした。

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