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ポンコツヤローの異世界放浪 LV19

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②ポンコツヤローの異世界放浪
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LV19:仲間の想いを背負って②

 残されたのは右の通路の攻略。そして今まさにポンコツヤロー達が合流した最高のタイミングで、最後の敵であるゾンビの集団を迎え撃つことが出来ます。すると待ってましたとばかりミツが魔法を放ちます!「いっけ~~ファイアーボール!」するとゾンビ数体の上を通り過ぎ、実にナイスなポイントでファイアーボールがさく裂!

 ゾンビを十数体まとめて吹き飛ばしました。「ミツ!グッジョブ!」タクボクが声をかけ、シゲも「やるなっ!お疲れ~~!」と肩を叩きます。ミツは今までの恨みを一気に晴らしたような、やり切った表情を浮かべています。そして「これで魔法は全て使い切った。後はみんなに任せるよ。僕はカズキンとヤナと一緒に炭鉱の外まで一旦引き上げるから。」

 そう言うとブーが「了解。引き上げてリュウさんのところで待機してくれ」と言いました。するとアンザワが戦利品を集め終わり戻ってきました。「どうやら順調のようだな!カズキン達は一旦外に出るのか。ならば戦利品も持っていけるかな?俺は右の通路に一緒に突入しよう。」

 そうアンザワが言うと「よし、後は右の通路だけだ。みんな進もう」ブーが号令をかけました。いよいよ最終局面です。タカ、シゲ、タクボク、アンザワ、ブーの5人が最下層を目指して小走りに移動します。すると至る所に死体が転がっており、一部アンデット化していることが分かりました。

「みんなストップ。どうやらこっちの方の死体はアンデット化している。と言うよりも、死体をこのまま放置しているといずれアンデット化するようだ。すべて焼き払っていこう。」司祭であるブーが慎重な顔つきで言います。するとアンザワは「なるほどな。じゃあ俺がこの死体をどんどん焼き払っていこう。この手の始末は俺に任せてお前たちは急がず進んでくれ。」

 そう申し出ました。そして「ついでに金目のものがあったらきちんと回収はしておくさ。安心して進んでくれ。」とシーフとしてのスキルを存分に発揮するアンザワでした。ブーは「アンザワサンキューな!よしじゃあシゲとタカが前衛。俺が真ん中で後衛をタクボク!頼むな。」そう指示を出します。

 タクボクはかなりスタミナを消耗していたため、現時点での隊列はこれがベストでしょう。一同了解し、さらに進みます。あちこちに散らばっている死体が視界に入ると、むっくり起き上がってきてこちらに向かってきます。まさにゾンビ化の現象です。「う~気持ちわり~~」思わず声に出てしまったシゲでした。

 「首を確実に跳ねてやれ。そうしないと本当に殺せないぞ!」そうタカが叫びます。ここにいるゾンビは、どうやら元冒険者ではなく、元炭鉱夫だったようなので簡単に倒すことができました。1体ずつ確実に倒し、とうとう最下層までたどり着きました。「どうやらここで最後だな。」油断した瞬間いきなり剣で切り付けられました。

 「うわぁっ!」タカは間一髪のところでかわしました。しかし「グッ・・」という声が聞こえ、タカが振り向くと、シゲがわき腹を槍で貫かれているところが目に入りました。「シゲェェェーーー!」タカは絶叫にも近い叫び声をあげ、シゲを攻撃したゾンビに対し、渾身の力を込めて剣を振り下ろし切り捨てます。

 「シゲ!シゲ!大丈夫かシゲ!」そうタカが叫んでいるとブーが「タカ!戦え、シゲは俺が見る!全滅した冒険者のゾンビだ!手ごわいぞ!」と叫びます。我に返ったタカは、装備を固めているゾンビが襲ってくるのが見えました。しかし一切怯む気持ちはありません。「この化け物どもが~~」

 目の前のゾンビに、渾身の力を込めて蹴り上げ、思いっきり蹴り飛ばしました。ゾンビは壁に激突し、崩れ落ちていきます。そしてタカとタクボクは、苦戦しながらもゾンビと激闘を繰り広げます。「こいつら元冒険者だけあって武器の使い方がうまい。なかなか倒せないぞ。」そうタカが言うとタクボクも「きついな」と応じます。

 そのころブーはシゲの治療に専念していました。「シゲ!しっかりしろシゲ!今ヒールをかけてやるから!」ブーは励ましますが、シゲは「いてぇ~~・・・・・」と声に出すものの、今にも声が途切れてしまいそうなほど弱っています。「まずい。ヒール!」ブーは急いで治療に入ります。

 「だめだ深手過ぎる。このままでは・・・残り全てのヒールを使うしかない。ヒール!」ブーは残り3回のヒールをすべて使い切りました。しかし「ダメだ・・一時的には安定したが、すぐに連れ帰らないとこのままでは・・・」ブーがかつてない厳しい表情をしているところをタカもタクボクも分かっていました。

 その時疾風のごとくアンザワが到着し、ゾンビの背後に回りあっという間に得意のダガーでゾンビの首を切り落としていきます。まさに瞬殺、シーフらしい見事な暗殺術で一気に片を付けました。「アンザワ!」タカとタクボクが同時に叫びました。「わりぃ遅れた。大丈夫か?」

「助かったぜ~アンザワ!ナイス!」そう言うとタカはアンザワにコブシを突き出し、アンザワもコブシを合わせて応えます。「シゲが重症なんだ。本当に助かったよ。」そうタクボク言い、アンザワと握手をします。「よしアンザワ悪いが戦利品関係の処理を頼む。タクボクとブーはシゲを連れて外に出てくれ。俺は一応確認してすぐ追う。」

 タカがそう言うと同時にブーとタクボクはシゲに肩を貸し、外に向けて移動します。アンザワは「よし俺もさっさと仕事を終わらせて戻るから後は任せてくれ!」そう言うと仕事に取り掛かります。そしてタカは、念のため転がっている死体に再度止めを刺しながら、最下層を後にしました。

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