LV23:オークのバカどもを出し抜け!
【オーク殲滅作戦概要】
1 オーク集落のすぐそばの山間で待ち伏せ
2 シーフであるアンザワがオークの村で騒ぎを起こし、オークを連れ出す
3 アンザワが待ち伏せ場所までおびき寄せて、オークを1匹ずつ倒して行く
「よし!みんな着いたぞ。じゃあ配置についてくれ!」そうブーが言いました。「アンザワ!オークどもを引き連れてきてくれよ!!」ヤナがアンザワを激励します。「オウ!任せとけ!きっちり連れてきてやるから、その後はお前ら頼むぜ!」アンザワは自信満々で応えます。
アンザワのジョブはシーフです。アンザワはとてつもなく逃げ足が速いため、絶対にオークに追いつかれるどころか捕まるはずもありません。この役割はアンザワにしかできない。そう全員が一致していました。そしてアンザワは足早にオークの集落に向かいました。
「さてと、この特製爆弾をしこたま投げ込んでやるぜ!」アンザワは自分の手作りの爆弾を取り出しました。この爆弾は爆発力よりも、良く煙を出すように細工している自信作で、その煙の多さから火災が発生していると誤認させることができるものです。特にオークのような低能のモンスターには抜群に効果を発揮します。
「それ!」アンザワは勢いよくオークの集落に特製手作り爆弾を立て続けに投げ入れます。その数10発!「さーてバックレるかな。しかし俺を発見してもらわないと意味がないからな。」爆弾を投げ入れてからすぐにオークたちから獣独特の雄たけびが聞こえ始めました。
「奴ら大混乱だな。よーし!」アンザワは素早く移動し、近くにいたオークに攻撃を加えます。ただし、急所を外します。アンザワほどの手慣れなら、気付かれずに背後を取り、相手が気付く暇を与えずに暗殺することも可能です。しかし今回はそれでは意味がありません。気付いてもらわなければなりません。
アンザワがオークの背中を切り付けたと同時に、オークの豚の悲鳴にも似た鈍い叫び声が響きます。そしてその隣のオークの腕を勢いよく切り落としました。そしてアンザワは少し距離を取り、他のオーク達に発見されたことを確認してから、一目散に逃げ始めます。
「よしよし。ついてきているな!」オーク達は仲間を呼び集め、見る見るうちに集団となってきました。オークは仲間が切り付けられたことを知り、凄まじい形相で追いかけてきます。「バーカ!もっとこっちへ来い!」アンザワは独り言を言いながら自分の仲間たちの元へ走っていきます。
アンザワがオークの集落に向かってから30分もしないうちに、オークの集落から黒い煙が複数立ち上ってくるのが見えます。「お!アンザワのやつやり始めたな!」カズキンが真っ先に気付きました。「みんな迎撃態勢頼むな!」ブーが声をかけます。
「みんな!アンザワがこっちに来るぞ!オークもしっかりついてきている。」カズキンがそう言うと、間髪入れずにミツが心配そうに言いました。「なんかすごい数だよ。えー何百匹いるんだろー」そんな中相変わらずのんきなシゲが「俺に任せとけ!全部ぶっ殺してやる!」と斧を振り上げて構えています。いよいよ戦闘開始です。
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